こんにちは。
宝塚市の動物病院、めふ動物病院です。

4月に入って、狂犬病の予防注射やフィラリア予防に来られる患者さんが増えてきました。

ワンちゃんの4大予防には
1.狂犬病
2.フィラリア予防
3.外部寄生虫(ノミダニ)予防
4.混合ワクチン
がありますが、上3つは予防開始時期が春なので、
動物病院は春先から少し慌ただしくなってきます。


さて
今日は、当院で扱っているフィラリア予防薬をご紹介いたします。

1.チュアブルタイプ(おやつ型)

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現在、動物病院の殆どがこのタイプのお薬を使っているのではないでしょうか。
97.8%の飼い主さんがこのタイプのお薬を「ワンちゃんが喜んで食べてくれる」と回答しています。(DSファーマアニマルヘルス(株)調べ 2012)
腸の寄生虫も駆除してくれるので、一石二鳥で優れたお薬ですが、
原料に牛、もしくは鶏を使用していますので、それらにアレルギーのある子は避けた方が無難です。


2.錠剤サイズのチュアブル

これも殆どのワンちゃんが自ら好んで食べてくれるタイプのお薬です。
小さくてかさばらないので  病院的には大助かり  もとい、大きいオヤツが苦手な子や、これまで錠剤の
お薬をあげていた子に向いていると思います。
また、コリー犬種などのMDR1遺伝子に変異を持つ可能性が高いと言われる犬種の子には
1で挙げたお薬よりも、このお薬の有効成分の方がより安全性が高いと言われていますので
こちらをお勧めします。
ただし、1のお薬のように、腸の寄生虫を駆除する事はできません。


3.錠剤
いわゆる錠剤です。
写真を載せるほど特徴がないので割愛します。
普通の錠剤なのでニガイですが、牛や鶏のアレルギーがあってチュアブルタイプが使えない子には錠剤を使用します。


4.フレーバー錠
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今年から発売された、今動物病院業界で話題のお薬です。
チュアブルタイプのお薬ほど美味しくはないですが、ビーフフレーバーが付いているので、
錠剤を砕いてフードにパラパラとかけておけば殆どの子がそのまま気付かずに食べてくれます。
このお薬の特徴は、これ一錠でフィラリア症予防、腸内寄生虫(回虫・鉤虫・鞭虫)駆除、外部寄生虫(ノミ・マダニ)駆除がいっぺんにできる事です。
これまで別々のお薬で駆除しなければいけなかった6種類の寄生虫の予防が、たった1錠のお薬で可能となりますので、これまた場所を取られなくて病院的には大助かり、もとい、飼い主さんも管理が楽だと思います。
ノミ・マダニ予防薬の主流である、皮膚に滴下するタイプのお薬を背中にたらした後に、投与部位をすごく気にしてしまう子などは、こちらのお薬の方がいいでしょう。


めふ動物病院で主に使うフィラリア予防薬はこの4種類です。
これらの予防薬は、いずれも月に一回投与するだけでフィラリア症が予防できる優れたお薬です。
上で挙げた以外にも、
どうしても口からお薬を飲めない子の為に、首元の皮膚に滴下して使用するタイプのフィラリア予防薬も置いています。

さらに、「口からも飲めないし、皮膚に滴下するのも嫌がって暴れまくる。でも予防はしてあげたいし、どうしたらいいのか分からない」という方の為に
1回注射を打つと1年間効果が持続するタイプのフィラリア予防薬も用意しています。
ただしこの注射薬での予防は、単価がほかのお薬に比べて高くなるという欠点もありますし、非常に稀にですが注射の副作用で死亡するワンちゃんの症例も報告されているので、
「投薬するのがメンドクサイから注射で」という理由での注射薬の使用は、当院ではお断りしています。


そんな感じで、
フィラリア予防薬一つを取ってみても色々とありますので、
詳しくは診察中に、私たちと飼い主さんとワンちゃんとで、どの薬が一番合っているか相談させていただいて
決めていきたいと思います。


長くなりました。
ここまで、面白味のない説明文に付き合っていただき、ありがとうございました。
たまには動物病院っぽい事を書いておかないと
そのうち誰も見てくれなくなるんじゃないかと思って書いてみましたが、難しいものですね。
ちゃんとした記事を毎回書いている他院の先生方は超人ですね。すごいなあ。
まぁ超人とは張り合っていられないので、明日からはまた
「狂犬病の集合注射に遅刻しそうで慌てて家を出たら、ポケットにはケータイ×2個となぜか空気清浄機のリモコンが入っていた」
とかそんな感じの記事になると思いますのであしからずご了承ください。